「おでんに入れるこんにゃくは、包丁で切るより手でちぎると味がしみこむよ」「おでんの汁はうどんや雑炊に使えるよ」「苦手なものでも、作った人の気持ちを考えて食べなさい」

台所で母親と料理を作るときの様子を日記に書いてきてくれました。

大人ができることを自分もできるようになりたいと思う時期、1 年生の生活科の単元「ひろがれえがお」で「喜んでもらえる仕事を見つけ、やってみようという意欲をもたせ、実行する」活動があります。

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台所で手伝いをしている子の感想は、「大変だなと思いました。きついことと思いました。自分も大人になったらこんなことをしないといけないのだと思いました。考えたら、毎日仕事をするのも大変だと思いました。自分自身の力になったと気がつきました。」

母親からのコメントには、「お手伝いの幅が広がりました。特に料理前後の準備や片付けは今まで面倒くさがっていましたが、進んでしてくれるようになりました。料理の知識を身に付かせてあげたく、時間があるときには、親子で一緒に作っています。料理をしながら学校や学童の話を聞くことがあり、台所が親子のふれあいの場となっています。」

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忙しいからこそ、意図的に親子で家事をすることが大事な時代だと思います。子どもは、保護者の大変さを実感し、できることとできないことがわかり、できることは自信をもって取り組み、できないことは教わりながら身につける自律が育っていきます。食卓の向こう側を知ることができ、「ぬくもり」を感じることができるのが台所です。

文・佐世保市立広田小学校教諭 福田泰三