表彰式に出席した生徒、審査委員ら 。

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東京農業大学(江口文陽学長)は12月10日、世田谷キャンパス(東京都世田谷区)で、持続可能な開発目標(SDGs)の達成と地域社会への貢献などに挑む高校生の取り組みを競う「『未来への挑戦』東京農大SDGsコンテスト表彰式」を行った。

東京農大はSDGsコンテストを初めて開催し、全国の高校生(個人)から今夏、SDGsの達成を図り地域社会をより良くするために自ら考えたこと、実際に取り組んでいることを募った。

全国75の高校から384件の応募があり、選考の結果入賞した5人がこの日、それぞれの取り組みをプレゼンテーションし、最終審査を経て最優秀賞(副賞5万円)、優秀賞(2人、同3万円)、特別賞(2人、2万円)の受賞者を決定した。

最優秀賞は「『SDGs2 飢餓をゼロに』へ向けて私たちにできることーザンビア共和国の子どもたちへの食料支援ー」を発表した新潟県立佐渡総合高校2年の仲村拓真さんが受けた。

同校は「地元の食べ物が一番おいしい」と考え、ザンビアの子どものために、アフリカ向けに開発されたネリカ米の栽培に取り組み 、無肥料・無農薬での収穫、孤児院への提供に成功した。

 

発表する佐渡総合高校2年の仲村拓真さん 。

審査委員を務めた天野正治農林水産省畜産局総務課長は講評で、「『私たちにできること』という視点があり、素晴らしい。ネリカ米の生産マニュアルを孤児院に提供したことも、高く評価できる」と述べた。

その他4人の受賞者、テーマは以下の通り。

【優秀賞】阿部悠さん(岩手県立花巻農業高校3年)「二子里芋と毬花を使用した長期保存可能ソーセージで農家さんの力に!」、岩村みのりさん(熊本県立熊本農業高校2年)「食品廃棄物を利用した持続可能な畜産経営の実践」

【特別賞】杉山大樹さん(私立武蔵高校2年)「東京農業大学と学ぶフードサイクル」、池嵜亮太朗さん(愛知県立安城農林高校1年)「ミニトマト生産、販売における食品ロス低減への取り組み」

審査委員を務めたのは以下の7人。
上岡美保・東農大副学長、国際食料情報学部国際食農科学科教授=審査委員長▼天野正治・農水省畜産局総務課長▼川瀬良子・ラジオ番組「あぐりずむ」パーソナリティー=プレゼンター▼上原万里子・東農大副学長、応用生物科学部食品安全健康学科教授▼桑山岳人・東農大副学長、農学部動物科学科教授▼矢嶋俊介・東農大副学長、生命科学部バイオサイエンス学科教授▼千葉晋・東農大副学長、生物産業学部海洋水産学科教授

この日は会場のアカデミアセンター横井講堂で、俳優の工藤阿須加さんと上岡美保副学長による特別対談も行った。東農大に在学したことがあり、現在は山梨県で野菜作りなど農業に挑んでいる工藤阿須加さんは「今の自分は『半農半芸』といったところだが、SDGsについてはすべての達成へ、自分のやり方で向かっていっている。今日の高校生5人の発表には大きな刺激を受けた。失敗をしても落ち込まず、チャレンジを続けてほしい」と話した。

東京農業大学は同日、世田谷キャンパスで受験生向けの大学見学会を実施し、キャンパスツアーなどを行った。表彰式をツアー参加者69人が聴講した。

表彰式の冒頭であいさつした江口文陽学長は「コンテストには全国の高校生から素晴らしい作品の応募があったと聞いた。東京農業大学で学べる『農学』とは、まさにSDGsの達成を目指す学問だ」と述べた。

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