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おうち時間の楽しみ方はさまざま。無数にあるアート系の中でも、ちょっと珍しいガラス工芸の指南書をご紹介しよう。古代メソポタミアで作られ、アール・ヌーボー期にフランスで花開いたガラスの成形技法を解説した『パート・ド・ヴェール』(誠文堂新光社・東京、税込み3,520円)が発売された。

パート・ド・ヴェール(Pâte de verre)は、練りガラスを意味するフランス語。粉状にしたガラスをのりで練って、耐火型に貼り付けて焼成していたことに由来する。ひとつひとつ型を作る必要があるため量産には向かず、衰退と隆盛を何度も経たことから「幻の技法」とも言われている。粘土などの原型から耐火石こうで鋳型を起こし、ガラスの粉や粒を調合して型に詰め、電気炉で焼成する。型から出し、磨いてようやく完成する作品たちは、やわらかく繊細な表情で、なめらかな質感を持っている。

本書では、ガラス作家、由水 直樹さんがスタンダードな5つの型取り法を、18点の作品の作り方とともに紹介。ピーナツやバナナから型をとったユニークなものから、ケーキをイメージした小箱、器、アクセサリーなど、色やレリーフの美しさも楽しめる作品をとおして、技法が身につけられるようになっている。

時間をかけて丁寧に仕上げるアート。“効率”の対極にある時間を楽しめそうだ。

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