今年で8年目を迎えた『福中お弁当の日』では、毎学期に1回、いろいろなテーマを設定して実施しています。週明けの月曜日に実施し、土日で準備ができるようにしています。
中学生にとって『自立』するその日は、ずっと先のようで案外早いものです。特に、高等学校では一般的に給食がありません。弁当作りを通して、調理する力だけでなく、買う際の選ぶ力が養われます。そして、成長期である自分のために、また誰かのために時間と手間をかけ、栄養にも気を配ることで、「おいしかったよ」「ありがとう」とかけてもらった言葉は、生徒たちの自己肯定感を高めることにつながるようです。
今まで実施してきたテーマは、
・感謝弁当
・バランス弁当 ~春を感じて~
・いろどり弁当
・おむすび弁当
・My○○弁当
などです。家族へ一言メッセージを書いて渡すなど、普段は会話の少ない保護者とのコミュニケーションをとる良い機会となりました。
『福中お弁当の日』を始めた当初、多くの生徒が自分のお弁当を、手で隠して食べていました。自分の不出来な弁当が恥ずかしいのか、はたまた、自分で作らなかったことが恥ずかしいのか…その真意は不明でした。しかし、現在では、多くの生徒がどこにこだわって作ったのかを説明してくれます。
飽食の時代に、何を選んで、どのようにいただくのか、無数の選択肢があります。現代を生きる中学生にとって、弁当づくりは道標となりそうです。今後も続けていきます!福中お弁当の日!!
文・周南市立福川中学校(山口県)養護教諭 大塚 由紀子