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オンライン授業や在宅ワークなどの広がりで、暮らしや人々の意識にも変化が生じた。先が見えない情勢下、新しい生活様式に適応した環境を整えきれていない人も多い。家庭内のワークスペース確保や感染リスクを減らし安全・安心な生活を送る工夫が社会的な課題になっている。そのような中、工学院大学の建築系学生プロジェクトWA-K.pro(ワークプロ)が、コロナ禍の暮らしを快適にするためのダンボール製家具を開発した。ダンボール製プロダクトブランド「danbal」(電通テック・東京、豊栄産業・大阪府枚方市)との共同プロジェクトだ。
コンセプトは「withコロナの暮らしをデザインする」。空間デザインの知識や設計技術を生かし、約半年間かけて企画から設計・開発まで全ての工程を学生たち中心に実施。オンライン授業や在宅ワークに役立つダンボール製の半個室「Home Office」と、パソコンやデスク周辺機器を収納して持ち運べるバッグ型パーテーション「Portable Work Space」を完成させた。
狭い空間でも簡単に設置でき、家庭内でも集中できる環境を確保するための半個室「Home Office」。サイズは「danbal」の既製品のデスクとチェアに合わせている。細部にまでこだわった設計で、屋根の隙間から光が落ちるため、まるで秘密基地のような落ち着く空間が作れる。バッグ型パーテーション「Portable Work Space」は、パソコンやデスク周辺機器を収納して持ち運べ、作業場所ではパーテーションの役割を果たす。一般的なダンボールのおよそ3倍の強度を誇る強化ダンボール「danbal board」。強度の高いオリジナル素材で作られているため、繰り返し、長期間使用できる。
今後、学内イベントでの試用や千葉県立現代産業科学館(千葉県市川市)での作品展示などで多くの人たちに使ってもらって使用感などのフィードバックをもらい、次の展開を検討するという。WA-K.proの佐久間はるかさん(建築学部建築デザイン学科3年)は「強化ダンボールは、普段授業で扱う建築材料とは異なる特性を持っているため、デザインも機能性も兼ね備えたベストな設計を目指し、試行錯誤を繰り返しました。今後、開発した製品が誰かの暮らしに彩りを添えることを願います」とのコメントを寄せている。