弁当の日おいしい記憶のエピソード」で最高賞である「弁当の日賞」を受賞した沖縄県南城市立玉城小学校5年の吉川結尋(ゆじん)さん(11)の表彰式が同校で行われ、共同通信社の儀間朝浩那覇支局長から表彰状が贈られる様子が「沖縄タイムス」と「琉球新報」に掲載されました。

「弁当の日おいしい記憶のエピソード」とは、学校で取り組んだ「弁当の日」や、自分で料理した体験談がテーマの作文コンテスト。2020年9月1日〜11月30日に全国の小中高生を対象に募り、2951点の応募がありました。

※2021年3月27日に東京都内にて開催予定だった授賞式は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため中止となりました。

 

以下は、「弁当の日賞」を受賞した吉川結尋さんの作文「新型コロナとお弁当」です。

新型コロナで、いろいろなことが、今までと変わってしまいました。学校も長期間休校になりました。今までの生活からは考えられないことですが、そうなってしまったのです。

休校が始まりました。学校には行けないけれど、家で、その時間に勉強することには、少しずつ慣れていきました。でも、どうしても慣れないことがありました。それは、外に出られないことです。充分に動けないので、体もなんとなくスッキリしない毎日でした。それでも、朝起きる時間は、学校に行くときに起きるのと同じ時間にしていました。そうしないと、どんどん何かが崩れそうでした。

朝、たっぷり時間があります。「お父さんのお弁当を作ろう。」と思いつきました。

お父さんはそれまで、仕事にお弁当を持って行っていませんでした。でも、私がお弁当を作るというと、大喜びしてくれました。

初めの頃は、焼くだけといった簡単なおかずだったのが、慣れてくると、日曜日に下準備をして1週間分を冷凍し、朝は仕上げるだけでいいようにできるようになりました。

お父さんは、私がお弁当を作るようになってから、とても変わりました。今まで、お昼はいらないと言っていたのに、きちんとお昼を食べるようになったのです。そして、私のお弁当を毎日楽しみにしてくれています。

休校中に始めたお弁当作りですが、学校が再開されてからも、続けて作っています。朝起きて、まずお弁当を作ることで、1日が始まり、生活リズムが整う気がします。

お弁当は不思議です。それがとても簡単にできるおかずだったとしても、お弁当箱につめられているものを、ふたを開けて見た瞬間、顔がニコッとなるのです。どうしてかな? お弁当は、それを食べるその人のために作った、普通だけど特別な食事だからなのかな。と、私は思います。