最高の原材料を自社生産し、フレッシュな状態で家庭に！環境にも配慮した“発明的チーズケーキ”誕生

ザクザク食感のクッキーの上に生チーズムースと生チーズスフレの２層を重ねたCHEESE WONDER。

牧場で搾りたての牛乳や作り立てのお菓子やソフトクリームを食べて、そのフレッシュなおいしさに感動したことはないだろうか？その感動を家庭に居ながらにして味わうことができる、画期的な商品が登場した。

北海道の洋菓子メーカー「きのとや」のグループ会社ユートピアアグリカルチャー（北海道沙流郡日高町）が2月18日（木）から販売を開始する「CHEESE WONDER（チーズワンダー）」は、同社の長沼真太郎社長が“発明的チーズケーキ”と自負するスイーツ。いったいどこが“発明的”なのだろうか？同社は2月17日（水）、発売に先立ち、オンラインで事業構想発表と新商品の説明・試食会を行い、その秘密を明らかにした。

実は長沼氏は、チーズタルトで有名なBAKE（ベイク）社の経営に携わっていた人物。おいしいお菓子を作る３原則は「①良い原材料を使う、②手間をおしまない、③フレッシュな状態で提供する」だという。しかし、良い原材料の入手はハードルが高く、特に良質な乳製品の確保は日本では難しいと感じていた。BAKEの経営から離れた氏は渡米し、スタンフォード大学で客員研究員として最先端の農業などを２年近く研究した後に、きのとやグループが保有していた牧場ユートピアアグリカルチャーの運営に着手。農業生産法人として、放牧酪農、養鶏場、乳製品の製造に取り組みながら開発したのが、CHEESE WONDERというわけだ。

CHEESE WONDERは、ザクザクのクッキー生地で作ったベースの上に、生チーズムースと生チーズスフレの２層を重ねたスイーツ。ふわっとしてほどよくチーズの酸味を感じさせる生ムースと、しっとりとしてコクのある生スフレは、似ていながらも違う食感と味わいを楽しめる贅沢な一品。チーズのクセはそれほど強くないので、チーズケーキというよりも、フレッシュで上質な乳製品を食べている印象だ。ザクザク食感のプレスドアーモンドクッキーは、バターの風味が楽しめるリッチな味わいで、内側に油分を薄く塗ることでチーズムースの水分移行を止め、ザクザク食感が長持ちするように工夫されている。

おいしさのポイントは生（なま）だということ。CHEESE WONDERは基本的にオンラインショップによる販売がメインだから、冷凍された状態で家庭に届き、全解凍、半解凍、冷凍の３通りの食べ方で楽しめる。これにより、おいしいお菓子３原則の「フレッシュな状態で提供する」が実現するわけだ。お菓子が一番おいしいのは工場で作り立ての状態。それに最も近い味を家庭で楽しめる――これが“発明的”と表現されるゆえんだ。

CHEESE WONDERは１箱6個入りで2,980円（税込み）。別途、送料が800円（一律）かかる。販売は、毎週金曜日・土曜日の20時から。ただし、発売日の2021年2月18日（木）のみは木曜でも販売（！）する。自社養鶏場の卵の生産数の関係上、各日100箱のみの限定販売だ。賞味期限は製造日から40日間だが、解凍後はすぐに食べてほしいとのこと。

なお、販売は基本的にオンラインショップのみだが、発売を記念し、2月19日～3月18日まで、東京・福岡にPOP UPストアが３店舗設けられる。

ユートピアアグリカルチャーが目指したのは、お菓子に適した良質の原材料入手だけではない。健康的な飼育が可能な放牧酪農と平飼いの養鶏場を選択し、さらに動物にも環境にも優しいサステイナブルな循環モデルに挑んでいる。すなわち、放牧酪農は牛→糞尿→土→草という関係性を、養鶏場では従来廃棄していたお菓子の端材を鶏に与えて鶏の糞は牧場の肥料にして土地の改良に使うという関係性を構築したのだ。この方法で出来た牛乳や卵をお菓子にして得た利益を、さらなる土地の改良や入手に投資し、良質な牛乳や卵を増産可能にするという循環モデルである。牛はげっぷやおならで温室効果ガスを出すとして環境問題の悪者にされがちだが、長沼氏は「牛は悪くない。育て方が悪いだけだ」と力を込める。

オンライン発表会には、同社と共同研究を行っている北海道大学の内田義崇准教授も参加。「日本では乳製品の生産者にとっては環境にやさしいことのメリットが少なく、環境負荷の少ない方向に動きにくいという問題があると思っていた。ユートピアアグリカルチャーがそこにチャレンジし、科学的根拠に基づく環境負荷の低減を目指すというところに共感している」とエールを送った。

環境に配慮した方法で、お菓子に適した牛乳と卵を自社で作り、工場で出来立ての味を冷凍保存で家庭に直接届ける――そんな理想的なスイーツCHEESE WONDERは、スイーツ好きならぜひ一度食べてみるべきだろう。