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「こ」と打ってコロナと予測変換しスマホまでもがコロナ禍にいる(高校3年)―。東洋大(東京都文京区)は「第34回現代学生百人一首」入選作品100首をこのほど発表した。コロナ禍だった昨年に募集したことから、コロナにまつわる学生たちの思いが反映された作品が多かった。
「現代学生百人一首」は、東洋大が1987年から実施している事業で、今回は「『現代学生のものの見方・生活感覚』を詠み込んだ短歌」をテーマに2020年9月18日~10月14日に募集。633校から小学生520首を含む6万5499首の応募があり、東洋大文学部の高柳祐子准教授を選考委員長に入選作品100首、小学生の部入選作品10首を選んだ。
コロナ禍でオンライン授業となった戸惑いが感じられる作品が目立った。「オンラインカメラをオフにし忘れて放送される自分の寝顔(高校1年)」「学校のリモート授業寝落ちして起きたら画面に僕しかいない(中学3年)」「リモートで遅刻欠席ゼロだけど下はパジャマの校則違反(中学3年)」。
登校してもコロナの影響が学生を困らせたようだ。「画面越し毎日見てた担任がデカくてびびる初登校日(中学1年)」「久々に着た制服の窮屈さ自粛期間の長さを語る(中学2年)」「吊り革を触らずバランス保ちつつ両手に荷物今日も筋トレ(中学3年)」「歓喜の輪ハイタッチじゃなくヒジタッチ新しい日々始まる一歩(高校2年)」。
分散登校もあったことをうかがわせたのは「『行ってきます』奇数の君からライン来て『気をつけてね』」と偶数の私」(高校1年)。コロナ禍でも希望を忘れないことを詠んだ一首も。「この先に今年があって良かったと思える日々があると信じて(高校1年)」。
家族との関係では「テレワーク父の携帯鳴り止まない乾いた笑いおそらく上司(高校1年)」「リモートで祖父母の家におじゃまして電子マネーでこづかいもらう(高校3年)」などがあった。
小学生の1首は、明るさを感じさせた。「久しぶり握るラケット打つボールマスクの下は笑顔だからね(小学6年)」。東洋大は「コロナ禍での新しい生活の中で、自分自身を見つめ直したり、思わぬ発見があったりと、学生の『いま』をリアルに切り取った作品が多かった」としている。
詳細は東洋大サイトから。