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東の東京ディズニーランド(千葉県浦安市)、西のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)――レジャー施設の東西の“横綱”はなぜ人々を引きつけているのか。それは、絶えず進化し続けているからではないだろうか。
東京ディズニーランドは、新しいアトラクションの追加を常に怠らず、2020年も『美女と野獣』をテーマにした新エリアをオープン。一方のUSJも2001年の開業以降、スヌーピーやハローキティなどキャラクターたちが住む街「ユニバーサル・ワンダーランド」や、映画『ミニオンズ』に登場したキャラクターを集めた「ミニオン・パーク」、そして映画『ハリー・ポッター』の世界を再現したエリアのオープンで話題を集め続けている。
日本が幕開けとなる“世界初”の施設
そして、USJ最新の目玉として待機中なのが、任天堂のゲームキャラクターをテーマにした「SUPER NINTENDO WORLD(スーパー・ニンテンドー・ワールド)」だ。世界的人気キャラクター「マリオ」の魅力を堪能できる新エリアで、米国3カ所、シンガポール、日本の計5カ所あるユニバーサル・スタジオの中で、日本はその幕開けとなる“世界初”の施設となる。
当初、東京五輪開幕前の2020年夏に開業する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、来春開業に延期された。新エリア開業を前に、マリオのグッズを販売する店舗と飲食店「マリオ・カフェ&ストア」が10月16日に先行オープンした。
「マリオ・カフェ&ストア」は、新エリアとは別にパーク内の店舗が連なるハリウッド・エリアにある。カフェ店内はゲーム「スーパーマリオブラザーズ」でおなじみの「ハテナブロック」や土管、キノコをイメージしたテーブルといった、マリオの世界では欠かせないモチーフがデザインされていて、楽しさいっぱい。メニューもパンケーキ・サンドは、マリオの帽子(イチゴのショートケーキ)と、双子の弟ルイージの帽子(ブドウのレアチーズ)をイメージ。3種のフルーツ・クリームソーダは、ストローにマリオのひげが付いているなどインスタ映えしそうだ。
ストアは、マリオ、ルイージになりきる「ぬいぐるみハット」やTシャツ、クッションなどの土産物を扱い、運営会社のユー・エス・ジェイは「USJだけのオリジナルグッズばかりだ」とアピールしている。
首相を土管から登場させるほどの人気キャラ
「スーパーマリオブラザーズ」は、任天堂が1985年に発売したファミリーコンピューター用ゲームソフト。主人公のマリオが、ジャンプアクションを繰り返しながら冒険するストーリーで、マリオの赤い帽子、オーバーオール、ひげといったキャラクターが人気を呼び、世界的に大ヒット。2016年のリオデジャネイロ五輪の閉会式で、当時の首相である安倍晋三氏がマリオに扮して土管の中から登場したほど世界で知られる存在だ。
新エリア「SUPER NINTENDO WORLD」は、600億円超を投じ、マリオカートなどのアトラクションで来場者がゲームの世界のように冒険できるのが特徴だという。「マリオ・カフェ&ストア」オープンに合わせ、記者会見したユー・エス・ジェイの村山卓・執行役員副社長CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)は、「マリオの世界観を大事にしながら日本の観光を盛り上げていきたい」と意気込みをみせる。
新しい遊び方、新しい時間の過ごし方も
USJは、新型コロナの影響で2月29日から6月7日まで臨時休業していた。再開後も最盛期の半数程度に入場者を制限しながらの営業が続いている。政府の観光支援事業「Go To トラベル」が始まり来場者数は戻りつつあるが、コロナ前の人出には回復していないのが実情だ。村山氏は「最近はマイクロツーリズムが増え、関西の人がパーク周辺のホテルに宿泊してゆっくり園内を楽しむといった新しい時間の過ごし方が広がりつつある」と話す。
ウィズコロナで新しい生活が日常化し、レジャーにも新しい遊び方が生まれつつあるようだ。マリオファンだという来場者からは「マリオのゲームに親しんできたので新エリアが楽しみ」といった声が聞かれた。USJが「SUPER NINTENDO WORLD」の誕生で、マリオがジャンプして崖を飛び越えるようにコロナという壁を乗り越えるか注目したい。