「自炊は自分が1番好きな味付けにできる、という先生の言葉が忘れられない」「臆せずいろんな食材にチャレンジしてみたい」

自炊塾に参加した人の声だ。普段から料理はしているという参加者も、「疲れているときの家庭料理はこのくらいでいい」と自分を納得させられるようになったという。普段自炊をしない人にとって、自宅での調理は精神的にもハードルが高い。そこで、「弁当の日」応援プロジェクトが2021年10月12日・10月26日・11月9日の全3回にわたって開催した「オンライン自炊塾」より、自炊のヒントが詰まったレッスン内容をお届けする。

根菜とひき肉の煮物 & 卵野菜炒め

受講者が作った料理

材料
(根菜とひき肉の煮物)
豚ひき肉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100g
根菜(長いも、じゃがいも、かぼちゃ、
れんこん、かぶなど)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・300g
しょうゆ・みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
(卵野菜炒め)
卵・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2個
大トマト or 長ネギ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1個
油・塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量

自炊塾レッスン
最終レッスンは、和食の代表である煮物とちょっぴりコツのいる卵料理だ。

ジャガイモの皮をピーラーでむくときのコツ。少しずつ早く動かしてむく人がいるが、「上から下までぐっと引っ張ってゆっくりむく方が、結果的に早い」。

ひと口大に切ったら、根菜はそのまま鍋へ。根菜と肉の量の目安は、3対1くらいのバランスだ。

基本の煮物だしは、「水かダシ10に対して、醤油1、みりん1」。

ダシは、自炊ビギナーを滅入らせるワードの一つだ。「料理家なら昆布でダシをとってる? と思われるかもしれないが、普段はだしパックを使っている」。今回ひき肉を選んだのは、「火の通りが早くて、値段が安くて経済的。そしてダシが出るから」。というわけで、今回は「水で大丈夫」。根菜と調味料の入った鍋にひき肉を投入。

最初に強火で沸かした後は、ことこと中火から弱火で煮込むと、徐々に水分が抜けていく。このタイミングで味見をして、薄ければみりんとしょうゆを少しずつ足す。2日目に味変させて食べることを考えると、「薄味で作っておく方が使い勝手がいい」というのが山口先生のスタンスだ。

他の根菜にしたら別の料理だし、タマネギを足せば「にくじゃが」で、小松菜にすれば「煮びたし」。余ったら潰して「コロッケ」のタネにもなる。これだけで、いくつもレパートリーを増やせるのだ。

卵料理の中でも、「中華料理の定番のトマトと卵が一番おいしい」と山口先生。トマトにもいろんな切り方があるが、輪切りだとゼリーが出てしまうので、縦に切り、3~4等分にした。

水分が多い野菜は、油を引き温めたフライパンに投下すると油が跳ねるので、火をつける前にフライパンへ。

蓋をしてから火をつける。これで油跳ねの心配もなしだ。

卵の殻が入らないようにするには、角よりも「平らな場所」で割る。箸の先を器の底に当てるように混ぜると白身が切れやすい。

卵に塩ひとつまみ。「3本の指でつまむ、ひとつまみって結構多い」。あっという間にできてしまうので、この段階で盛り付けるお皿も用意した。

トマトを両面焼いたら

フライパンの端に寄せて卵を投下。ここでもしばらく卵には触らない。

卵がぼこぼこしてきたら、ゆっくり混ぜる。「ぐちゃぐちゃっと早く混ぜるとスクランブルエッグになっちゃう」。

卵はあっという間に固まるので焼き加減が難しいところ。ふちが焼けてきたくらいで火を止めると…

「ジュクジュク系の仕上がり」に。卵とトマトにはうまみがあるので、油と塩だけで十分「おいしい!」。

自炊の最大のメリットは、「自分の好きな味にできること」。今のコンビニやスーパーの総菜は、企業がしのぎを削って開発しているので、味も栄養面でもレベルが高い。そのうえで自炊の価値について考えるなら、「ちょっぴり塩からい、自分には甘すぎる、といった外食や買ってきた総菜の味を、自分好みに変えられるところ」と山口先生が最後まとめてくれた。レシピをなぞるのではなく、自分の好きな味を再現できる自炊。「買うより自分で作るほうがうまい!」と思える日まで、「弁当の日」応援プロジェクトはビギナーさんの自炊生活を応援していきます。

「このくらいでいいんだ」と自炊塾後に参加者が作った夕飯

 

第1回「お湯を注ぐだけ即席みそ汁」

第2回「豚汁と焼くだけ野菜」