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パタゴニアプロビジョンズのラインアップ(一部)。Daisuke Hayashi(C)2021Patagonia, Inc.

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オーガニックコットンの使用、トレーサブル・ダウン100%、製品ラインの70%以上でリサイクル素材を採用するなど、環境に配慮した事業展開を行っていることでも有名なアウトドア用品ブランドの「パタゴニア」(パタゴニア・インターナショナル・インク・横浜市)。そのパタゴニアに食品のラインアップ「PROVISIONS」(プロビジョンズ)があることをご存知だろうか。現在日本で展開している商品数は27種類。そのいずれも、持続可能な方法で生産・採取された食材を使用していて、リジェネラティブ・オーガニック(regenerative organic)農法に着目している点が特徴だ。

今回は、プロビジョンズが描く農業・食のあり方、ひいては地球の未来について、同社の近藤勝宏ディレクターに話を聞いた。

――なぜ食品なのか?

近藤 パタゴニアは、三度の飯よりもアウトドアが好きな創業メンバーがクライミングの道具を作り始めたことが起源。1960年代後半にはクライミングツールの全米一番のサプライヤーになり、クライミングブームもあって道具がよく売れた。しかし、道具が売れれば売れるほど、大好きな自然が壊されていくことに気付いた。当時の道具(ピトン)は、岩と岩の間(クラック)に鉄製のピトンを打ち付けるもので、岩肌を傷つけていた。そこで、一番売れていたピトンのビジネスから撤退し、岩肌を傷つけない道具を開発した。これが、パタゴニアとして「環境・自然」と「ビジネス」とを結び付けてアクションを起こした最初のステップ。

90年代頭に発表したミッションステートメントは、「最高の商品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」。

これを実行する方法として、オーガニックコットンへの切り替え・フェアトレード認証の商品ラインアップ・労働者への直接対価などを行ってきたが、現在の気候危機は待ったなしの状態。そこで、ビジネスを通して気候危機を食い止めることに貢献するという意思表示のためにステートメント内容を変更した。それが、「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む(We are in business to save our home planet)」。

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プロビジョンズの近藤勝宏ディレクター

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パタゴニアでは、気候危機を解決するための三つの柱があるという。

1)リサイクル素材を使用するなどして二酸化炭素の排出を抑える

2)再生可能エネルギーへの転換

3)炭素を土に戻すリジェネラティブ・オーガニック農法への切り替え

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プロビジョンズ商品を使った調理例。Amy Kumler(C)2021Patagonia, Inc.

パタゴニアが食品にこだわる理由はこのリジェネラティブ・オーガニック農法にある。その詳細についてはPart2でお伝えする。

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