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お店でどのような商品を買ったとしても、その多くはプラスチックの袋・容器に入っている。つまり、私たちの生活はプラスチック用品で溢れている。リサイクルできないプラスチックは焼却処分されることが多いが、その一部は不法投棄などで山や海へ捨てられている。海洋プラスチック問題は年々深刻化していて、生態系への影響が取り返しのつかない状態になる前に私たちはきちんとした対策を講じる必要がある。とはいえ、食品・日用品を買わないで生活することはできないし、直ちにすべてのプラスチックを禁止するのも現実的ではない。レジ袋など減らせるものはその使用量を減らしていくと同時に、ほかの材料でまかなえるものは脱プラスチックを進めるべきだろう。
日本製紙が掲げるスローガンは“紙でできることは紙で。”。環境への負荷が大きいプラスチックの代わりに、なるべく多くの商品を再生可能な資源である紙(木材)に置き換えようと取り組んでいる。今回はその商品の一部を紹介する。
コロナ禍で需要が上がったアルコール消毒類。消毒液を常備している家庭も多いと思うが、その容器は何でできている? 日本製紙が昨年発表した「SPOPS Hygiene」は差し替え式の紙パック容器だ。これまでのポンプ式プラスチック容器と比較するとプラスチックの使用量を約70%削減できるという。使用後は、牛乳パックのような紙パックを交換するだけなので、とっても簡単で手間いらず。詰め替えの際に容器から液体がこぼれたり、手に付いたりする心配はいらない。「SPOPS」には、シャンプー・コンディショナーなどに使えるシリーズもある。
木質バイオマスを配合した新樹脂(トレファイドバイオコンポジット)は、食器・建材・家電・園芸商品など幅広い用途に応用できる材料。この樹脂を使うことで、同じ製品でもプラスチック使用量を50%以上削減することができ、温室効果ガスの排出量も減らせるという。同じシリーズにセルロースファイバーを使用したセルロースバイオコンポジットがある。いずれも今年の秋以降の発売を予定している。
テイクアウトを実施する店舗も増えてくる中、多くのお弁当類に使われているプラ容器。しかし、そのほとんどは食べ終わるとゴミになってしまう。他方、100%紙製のお弁当箱は汁漏れや耐久性の問題があるが、その課題を解決した画期的な商品が同社のFestシリーズの「Chill」だ。本体の大部分は紙でできているためリサイクルが可能な一方で、内側表面にプラスチックの薄いシートを張ることで食品の汁が漏れることを防ぐという。Chillの最大の特徴はこのシートを手ではがせるようにしたこと。食べ終わった後はシートをはがすことで、簡単にお弁当箱を分別することができる。
プラスチックは加工のしやすさや耐久性の良さから多くの場面で使用されているが、生分解性はなく、極小のマイクロプラスチックは動物や人間の体に悪影響を及ぼすといわれている。そしてサーキュラーエコノミーの観点からも、石油由来の製品を使い続けることには限界がある。現時点ではほかの選択肢が多いとはいえないが、買う商品やその包装にどのような材料が使われているのか、改めて目を向けてみてはいかがだろうか。